2017/10/14付日本経済新聞 朝刊 「コーヒー店、「高級」に活路 ドトール・日レス、営業益最高3~8月」備忘録

◯ドトールは安価な「ドトール」、コンセントを充実させた「エクセルシオール」、単価が高めの喫茶店「星乃珈琲店」の3ブランドを展開

◯中でも好調なのが星乃珈琲店。

◯通常のドトールは、コーヒー 220円 星乃珈琲店は最低でも420円から。

◯星乃珈琲店は2011年から展開しているブランドだが、2017年3~8月期の売上高は72億円とドトールに次ぐブランドに成長。

◯節約志向が強まる中、コーヒーは高単価でも売れる現象が起きている。スタバが5月に出した東京ミッドタウン店では1杯 1,000円前後の希少なコーヒーを出しているが客足は好調だ。タリーズも1杯 600円程度のコーヒーを提供する店が伸びている。

ということで、記事では「高級でも消費者に受け入れられるコーヒー需要をどう取り込むか。」と結論付けているが、果たして本当にそうなのか?

記事中でも、「喫茶で仕事を済ませたいとの需要が追い風となり、単価が高めでも売れている。」「座り心地の良いイスなどをそろえた単価が高めの喫茶「星乃珈琲店」」「頭をリフレッシュして書類などをゆっくり見て仕事をしたい人にも受けている」「落ち着いて仕事の考え事ができる」 と選ばれている理由を述べているが、こちらの方が説得力がある。つまり、コーヒーが高い=コーヒーの味がいい、高級な豆を使っている、等というコーヒー本来の機能的な理由ではないということだろう。もはやコーヒーの味ではない、雰囲気やリラックスできる空間、ノマドのためのワーキングスペースとしての価値が高まっているのだろう。

とすれば、最近のスタバの不調の要因もわかる。スタバに人が増えた結果、そこにあった雰囲気、集中できる空間といった無形の価値は損なわれる、一方で、競合店もコーヒーだけではなく、雰囲気をよりターゲット層(スタバの顧客層)の好むものに仕立てている。スタバから競合店に人が流れるのも納得である。

ゆえに、「コーヒー需要」ではないのだろう。私の知人のスタバ好きの女性の言葉。「私、コーヒー全然好きじゃないんです。でも、スタバにいる自分が好きなんですw」