2017.7.7 日本経済新聞記事「JR九州会長 私見卓見」の備忘録

ななつ星in九州 運航開始から4年経過。

・顧客が求めているのは感動体験。

・感動の下地にはブランドが重要。車両ができあがるまでの職人の苦労等に顧客は物語を感じる。それがブランドになり、リピーターも増える。

・料金は5回引き上げ、運行開始直後と比べると2倍近くになっている。コストが上がったこともあるが、乗客たちが「もっと高くしなさい」と口々に言うから。

・値段が高いほど感動が深くなるようで、まだ安いかもしれない。

・車体をカメラ撮影するためだけに九州域外から来る人もいる。他の観光列車の乗車率もアップ。道の駅でもななつ星にちなんだ商品を販売したところ、来場者が増えた。

・昔と違って簡単に感動できなくなった今の世の中は「感動飢餓状態」にある。

モノではないコトを買う消費は確実に存在する。モノは既に溢れてしまっているから。買うことで感動する商品なんて、ほとんど思いつかない。思うに、特に日本人は形の見える「モノ」、買ってからも手元に残る「モノ」に、お金を使い、目に見えない「コト」「体験」には、これまでお金をあまり使ってこなかった、価値を見出してこなかったのだと思う。インバウンドの影響もあってか、「コト」「体験」の価値を見直す風潮が出ている。まだまだななつ星のような、高額「コト」「体験」消費の可能性は高いと思われる。

「コト」「体験」は、お金をモノに変えて残すことが目的ではないから、「安いから買う」という類の発想にはならず、むしろ「もっと高くして」ということになるのだろう。